2014年12月22日

邪気とはなにか?

一見おそろしく感じられる邪気とはなにか?これは人体にストレスを与えるもので自然界での気候や環境の変化、他に現代での病原微生物や細菌、ウイルスなどのことを指します。東洋医学での邪気というものはけっしてオカルト的なものではありません。

六気と呼ばれる自然界の気(風・寒・暑・湿・燥・火)は季節に配当され、春=風、夏=暑、秋=燥、冬=寒となります(雨などの多い季節は湿)。それ自体は四季の正常な特徴であって、通常は季節の移り変わりとともに人体も適応するため問題ありませんが、度が過ぎたり、季節はずれの気候になると人体に悪影響をもたらします。

このとき六気は邪気(外邪)となり、風邪(ふうじゃ)、寒邪、暑邪などと表現します。とりわけ現代では夏でも冷房により体が冷えたりと、季節にそぐわない環境にさらされやすくなっています。

そして外邪は五臓に影響を与えます。風邪=肝、暑邪=心、湿邪=脾、燥邪=肺、寒邪=腎というように、それぞれ障害を与えやすい臓があります。
例えば梅雨どきの湿気の多いジメジメしたときには食欲が低下し、下痢になりやすくなりますが、これは湿邪が脾を障害するためです。

鍼灸治療では邪気とたたかう力=正気(自然治癒力)を高めることにより、症状の改善をはかります。また人体に気(正気)が充実していれば邪気が入り込もうとしてもはねのけるため病気にならないとされています。
鍼灸が予防医学として注目されているのは、鍼灸によって気を充実させて(自然治癒力を高めて)病気にならない丈夫な体をつくるという理念があるためです。

※ちなみに現代でも「かぜ(風邪)は万病のもと」といいますが、これは風邪(ふうじゃ)がほかの外邪(寒邪や湿邪など)を先導する性質があり、「百病の長」とされているのが関係していると思われます。

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posted by 続木はり院 at 22:48| 東洋医学