木 ・・・ 植物が成長し、伸び広がっていくイメージ
季節では春、方角では東、色では青
火 ・・・ 火が勢いよく燃え上がるイメージ
季節では夏、方角では南、色では赤
土 ・・・ 大地が万物を育てるイメージ
季節の変わり目、方角では中央、色では黄
金 ・・・ 金属のように固く、粛正し、収斂するイメージ
季節では秋、方角では西、色では白
水 ・・・ 水のように潤し、下っていくイメージ
季節では冬、方角では北、色では黒
そしてこれらはお互いに関係しあっています。木が燃えると火を生み(木生火)、燃えカスは土を生む(火生土)というように生み、生まれる関係を相生と呼んでいます。
また水は火を消す(木克火)、火は金属を溶かす(火克金)というように抑制しあう関係を相克と呼んでいます。五つの要素が相生・相克の関係によってバランスを保っている状態が理想となります。
他に土が中央に位置し、四方を支配するという土王説もあります。

陰陽五行説は古代の日本に伝わってから国家組織の中に組み込まれ、年中行事や医学、農業、政治などの基礎原理として実践されてきましたが、明治維新を境に迷信として退けられてしまいました。
今の私たちが陰陽五行と聞くとなんだかインチキくさく感じられますが、実は身近な暮らしの中にそれは息づいています。
例えば十二支があります。もともと十二支は12ヶ月の月日とか、1日の時間にも用いられていました。旧暦になりますが春(1〜3月)は寅・卯・辰で「木」、夏(4〜6月)は巳・午・未で「火」、秋(7〜9月)は申・酉・戌で「金」、冬(10〜12月)は亥・子・丑で「水」になります。
そして季節の終わりの18日間が「土用」になるので丑・辰・未・戌は「土」を含みます。
他に大相撲では天井の四隅から東の青竜(木)、南の朱雀(火)、西の白虎(金)、北の玄武(水)をあらわした房が下り、中央には土俵(土)があります。そこに上がる力士は東(陽)と西(陰)を示します。
そして行司が「はっけよい」(八卦よい:八卦は易の用語、易も陰陽五行で成り立っている)といいます。
このように陰陽五行は日本の文化と密接な関係があります。次回は鍼灸の治療と五行説がどのように関わっているか説明します。
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