民俗学者の吉野裕子氏の著書「陰陽五行と日本の民俗」にそのことが記されており、なるほどと思ったので紹介したいと思います。
(その前に陰陽五行についてはこちらをご覧ください。)
節分の豆まきは春の主気である木気を剋する金気を抑える迎春呪術として捉えることができます。


節分の豆まきに用いられる大豆ですが、五行では金気に属します。そしてこの金気を象徴する大豆は火で煎りつけられ(火克金)、「鬼は外」といって外に投げ捨てられ、「福は内」といって家の中に投げられた豆も結局は食べられてしまいます。
こうして金気はさんざんに痛みつけられるわけです。そうして金気の力が弱まると、その剋す相手である木気は天敵が弱まるわけですから強くなります。
また節分の鬼(オニ)は隠れるの「隠」(オン)が変化したもので隠=陰です。そしてこれから「陽」である春を迎えるにあたって「陰」の鬼が退散させられるのです。
このように節分は春の木気を助け、陰を追い払うことによって新しい春を迎え入れるための行事なのです。
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