本題に入りますが、当院ではこの置鍼と単刺を組み合わせて治療を行いますが、どのように使い分けているのかを説明したいと思います。
その前に1つ断りを入れておくと、置鍼と単刺の効果についての科学的な解明はまだされていないので、ここからの記載は私個人の意見となります。
まず私の治療では背中もしくはお腹、手、足にあるツボに置鍼するところからはじめます。はりを刺す深さは浅く、数ミリ程度になります。その狙いとしては全身のバランスを整えること、つまり自律神経やホルモンバランス、血液の流れを改善することになります。東洋的な表現では気の流れをよくすることです。
浅く刺す理由は、鍼灸は生体の反射を利用しますが、その反射を起こすセンサーが皮膚の表面近くにあるのでその深さまでとします。
置鍼が終わった後で患者さんが症状を訴える場所、例えば腰痛ならその痛む部位に単刺をしていきます。主にこりに対して刺入していき、ほぐしていきます。
まとめると置鍼は全身のバランスを整える目的で、単刺は筋肉のコリとか局所の症状をとりのぞく目的で使い分けています。たまに筋肉の硬くなったところに置鍼をしてほしいという要望をいただくこともありますが、コリの種類によっては置鍼するとそのまわりが硬くからみついてきて、抜くときに痛みが出たり、なかなか抜きにくくなるときがあります。ですからその場合は説明をしてお断りをしています。
反対に置鍼をしたほうが効果の高いコリもあるので、経験から判断して対応しています。
置鍼、単刺の効果についての考え方は鍼灸師によって大きく異なるので今のところ正解というものはありませんが、治療中患者さんから聞かれることがあるので私なりの答えを出してみました。
タグ:鍼灸
【治療についての最新記事】