2015年06月08日

再現性を高める

前回の続きです。どの鍼灸師が治療を行っても同様な効果を出すことができる、つまり再現性を高めるにはどうするべきか?それは個々の鍼灸師が経験を積み重ね熟練するしかないと思います。ざっくりした表現になってしまいましたが、鍼灸が経験医学である以上、それが当然であるとも言えます。

では鍼灸における技術の高さとは具体的には何をもっていうのか?鍼灸治療を1つ1つ分解して考えてみたいと思います。

・病態把握 → 選穴
患者さんの状態を把握する方法には問診をはじめ脈診、腹診、舌診、原穴診、背候診など数多くあります。それらを駆使して判断した結果から使用する経穴(ツボ)を選択します(選穴)。当然病態把握が正確なほどより効果的な選穴が可能になります。

・正しい取穴(正確にツボをとらえる)
ツボは他の部位とは違った状態にあります。皮膚がゆるんでへこんでいたり、湿っていたり、ザラザラしていたりと様々な反応を示します。そのほんのわずかの差を感じとる指頭の感覚が重要になります。正確にツボをとれるかどうかで治療効果に差が出ます。

・刺鍼技術
いよいよツボにはりを刺入しますが、ただ刺すだけでは体に異物が入っただけにすぎません。いかにツボの効果を引き出し、体によい反応を起こすかが重要なポイントです。

ざっと思いつくところを載せてきましたが、これらの技術がある水準に達している鍼灸師が治療を行えば、ある症状に対して同様な治療効果を出すことができると思います。結局は日々の努力が大事だということですね。私もこの記事をかきながら慢心せず日々技術の研鑽に努めなくてはならないと気持ちを引き締めました。
posted by 続木はり院 at 21:23| 鍼灸