2015年09月25日

小児はりと大人のはり

鍼灸院の看板をみると小児はりという文字をみかけることがあると思います。一応はりと名付けられていますが子供に対して行うはりは大人のはりとは異なり、皮膚をつらぬくような構造はしておりません。道具にはいくつか種類がありますが、へらのような形であったり先端が丸いもの、ローラー型のものなどがあり、皮膚をさすったりトントンと叩いたりして刺激します。

小児はり

鍼灸師の間では子供はまだ経絡が発達していないためツボを点として刺激するよりも皮膚全体を面として刺激したほうがよいと説明されています。しかしこれでは一般の方への説明としては不十分なので私なりの考えを書きたいとおもいます。(関連記事:鍼灸と皮膚の関係

子供は成長段階にあり、新陳代謝も活発です。そのため刺激に対する身体の反応も敏感で回復も早い傾向にあります。ですから皮膚をさするだけでも十分な刺激となり、治療時間も短くなります。
反対に大人はすでに身体も発達しているため子供に比べて代謝は低くなっています。そのため身体に反応を起こさせるためにはある程度の刺激が必要となります。

ただ個人差もあって大人でも刺激に対して敏感な方では皮膚に接触する程度、もしくは非常に浅いはりでも十分に効果が出ることがあります。また小学生高学年になると成長の早い子では大人と同じはりを使用することもあります。逆に高校生くらいでも小児はりで十分な場合もあります。

適応症状はかんの虫、夜尿症、小児喘息、食欲不振や虚弱体質、アレルギー性皮膚炎など多岐にわたります。治療は専用の道具で皮膚をさするだけなので当然痛くなく心地よい刺激なのでご安心ください。
posted by 続木はり院 at 22:08| 鍼灸