東洋思想の基本となるものの1つに陰陽学説があります。これは世の中のあらゆるものを2つに分類する考え方です。
陽は明るい・熱い・活動的な性質で、陰は暗い・冷たい・静かなどという性質です。
この陰陽というものはそれぞれが独立した存在ではなく、お互いに影響しあう存在です。たとえば上下でいうと上が陽、下が陰ですが、「上」という存在は「下」という存在があってはじめて成り立ちます。「上」はそれ1つでは「上」にも「下」にもなりません。
また陰陽は常に変化し、また交代します。陽の勢いが増していき、やがて極まるとそれを抑制するように陰が強くなりはじめます。そして陰の勢いが増していき、やがて極まると再び陽が強くなります。
わかりやすいのが1日の中の昼と夜です。朝日が昇るとともに明るく、暖かくなっていき、昼に頂点に達します。すると今度は日が傾くにつれ暗くなっていき、夜が訪れ気温が下がっていきます。
昼と夜が一瞬で切り替わるのではなく、だんだんと変化していって夕方などは陰と陽の量が同じくらいになっていきます。このように陰と陽はお互いにバランスをとりあっています。
次回はこの陰陽学説と人の体がどのような関係なあるかを説明します。
2015年01月06日
経絡は本当に存在するのか?
前回の記事でツボと経絡について説明しましたが、では実際に経絡やツボが存在するのかというと、人体を解剖してもそのような構造は認められません。しかし実際に胃が痛い人は胃経に反応があらわれるし、胃経に鍼灸を施すと胃の痛みがおさまります。
これは東洋医学が経験の積み重ねによって成立していることによります。もともとは経脈は動脈、絡脈は静脈であったという説があります。
はりの起源はへん石と呼ばれるもので、悪いところを出血させて治すという方法でした。ですから当然その治療対象は血管になります。
年代が進むにつれ文明も発達し、はりも鉄で作られて現代の形になってきました。それを患部に刺して治療していたのですが、幹部に離れたところに治療を行っても効果があらわれることに気づきました。
そこからこの病がこのツボを使って治った、この病にはこのツボが効いたなどの多くの経験を考え合わせ、その間における関係を見出し、まとめて作り上げたのが経絡というものになります。
ですから科学的には存在しませんが、実際の面では非常に効果があるという事実があります。現在の科学技術では経絡というものは確認できませんが、技術が進歩すれば経絡の実態が解き明かされる日が来るかもしれません。
これは東洋医学が経験の積み重ねによって成立していることによります。もともとは経脈は動脈、絡脈は静脈であったという説があります。
はりの起源はへん石と呼ばれるもので、悪いところを出血させて治すという方法でした。ですから当然その治療対象は血管になります。
年代が進むにつれ文明も発達し、はりも鉄で作られて現代の形になってきました。それを患部に刺して治療していたのですが、幹部に離れたところに治療を行っても効果があらわれることに気づきました。
そこからこの病がこのツボを使って治った、この病にはこのツボが効いたなどの多くの経験を考え合わせ、その間における関係を見出し、まとめて作り上げたのが経絡というものになります。
ですから科学的には存在しませんが、実際の面では非常に効果があるという事実があります。現在の科学技術では経絡というものは確認できませんが、技術が進歩すれば経絡の実態が解き明かされる日が来るかもしれません。
posted by 続木はり院 at 21:38| 東洋医学
2014年12月26日
ツボとはなにか?
肩がこったときにはこのツボ、目が疲れたときにはあのツボを押すといいよとテレビや雑誌などで紹介されることのあるツボですが、その実態はいったいどんなものなのでしょうか?
ツボは1つ1つが独立した存在ではなく、お互いが経絡というラインで結ばれています。経絡は正確には経脈と絡脈からなっていて、ツボは経脈のライン上に存在しています。そのためツボのことを経穴と呼んでいます。

経脈は全身を縦方向に結んでいて12本あります。そしてこの経脈と経脈とをお互いに連絡させているのが絡脈になります。
経脈は頭のてっぺんから足先まで走行し、さらに身体の内部まで入り込んで内臓と連結しています。それぞれの経脈は内臓と関連づけられ、肺経、胃経などと名付けられています。
この経絡を気や血が流れ、全身を循環しているのですが、気が外界と交通する場所を経穴(ツボ)と呼んでいます。
そして体に異変があるとこの経脈上にあるツボに反応があらわれます。胃の調子が悪ければ胃経、肺に異変があれば肺経に反応があらわれます。
反応の仕方にはさまざまあり、コリとしてあらわれ押さえると痛かったり、さわると湿っていたり、ペコンとへこんでいたり、むくんでいたりします。そしてその経脈上にあるツボに鍼灸を施すと、その経脈が連結している内臓の調子も整えられ、つらい症状も改善されます。
実際治療を行う場合はもっと複雑で、陰陽五行説や東洋医学の考え方をもとにして使うツボを選んでいきます。さらにツボへの刺激方法もそのときの状況に合わせて変えていきます。
というわけでツボの効果を引き出すには知識と技術が必要になるので、自分でなんとなくツボを押してみても残念ながらはっきりとした効果は感じられないかもしれません。
関連記事
経絡は本当に存在するのか?
ツボは1つ1つが独立した存在ではなく、お互いが経絡というラインで結ばれています。経絡は正確には経脈と絡脈からなっていて、ツボは経脈のライン上に存在しています。そのためツボのことを経穴と呼んでいます。

経脈は全身を縦方向に結んでいて12本あります。そしてこの経脈と経脈とをお互いに連絡させているのが絡脈になります。
経脈は頭のてっぺんから足先まで走行し、さらに身体の内部まで入り込んで内臓と連結しています。それぞれの経脈は内臓と関連づけられ、肺経、胃経などと名付けられています。
この経絡を気や血が流れ、全身を循環しているのですが、気が外界と交通する場所を経穴(ツボ)と呼んでいます。
そして体に異変があるとこの経脈上にあるツボに反応があらわれます。胃の調子が悪ければ胃経、肺に異変があれば肺経に反応があらわれます。
反応の仕方にはさまざまあり、コリとしてあらわれ押さえると痛かったり、さわると湿っていたり、ペコンとへこんでいたり、むくんでいたりします。そしてその経脈上にあるツボに鍼灸を施すと、その経脈が連結している内臓の調子も整えられ、つらい症状も改善されます。
実際治療を行う場合はもっと複雑で、陰陽五行説や東洋医学の考え方をもとにして使うツボを選んでいきます。さらにツボへの刺激方法もそのときの状況に合わせて変えていきます。
というわけでツボの効果を引き出すには知識と技術が必要になるので、自分でなんとなくツボを押してみても残念ながらはっきりとした効果は感じられないかもしれません。
関連記事
経絡は本当に存在するのか?
posted by 続木はり院 at 21:31| 東洋医学
2014年12月22日
邪気とはなにか?
一見おそろしく感じられる邪気とはなにか?これは人体にストレスを与えるもので自然界での気候や環境の変化、他に現代での病原微生物や細菌、ウイルスなどのことを指します。東洋医学での邪気というものはけっしてオカルト的なものではありません。
六気と呼ばれる自然界の気(風・寒・暑・湿・燥・火)は季節に配当され、春=風、夏=暑、秋=燥、冬=寒となります(雨などの多い季節は湿)。それ自体は四季の正常な特徴であって、通常は季節の移り変わりとともに人体も適応するため問題ありませんが、度が過ぎたり、季節はずれの気候になると人体に悪影響をもたらします。
このとき六気は邪気(外邪)となり、風邪(ふうじゃ)、寒邪、暑邪などと表現します。とりわけ現代では夏でも冷房により体が冷えたりと、季節にそぐわない環境にさらされやすくなっています。
そして外邪は五臓に影響を与えます。風邪=肝、暑邪=心、湿邪=脾、燥邪=肺、寒邪=腎というように、それぞれ障害を与えやすい臓があります。
例えば梅雨どきの湿気の多いジメジメしたときには食欲が低下し、下痢になりやすくなりますが、これは湿邪が脾を障害するためです。
鍼灸治療では邪気とたたかう力=正気(自然治癒力)を高めることにより、症状の改善をはかります。また人体に気(正気)が充実していれば邪気が入り込もうとしてもはねのけるため病気にならないとされています。
鍼灸が予防医学として注目されているのは、鍼灸によって気を充実させて(自然治癒力を高めて)病気にならない丈夫な体をつくるという理念があるためです。
※ちなみに現代でも「かぜ(風邪)は万病のもと」といいますが、これは風邪(ふうじゃ)がほかの外邪(寒邪や湿邪など)を先導する性質があり、「百病の長」とされているのが関係していると思われます。
関連記事
気とはなにか?
六気と呼ばれる自然界の気(風・寒・暑・湿・燥・火)は季節に配当され、春=風、夏=暑、秋=燥、冬=寒となります(雨などの多い季節は湿)。それ自体は四季の正常な特徴であって、通常は季節の移り変わりとともに人体も適応するため問題ありませんが、度が過ぎたり、季節はずれの気候になると人体に悪影響をもたらします。
このとき六気は邪気(外邪)となり、風邪(ふうじゃ)、寒邪、暑邪などと表現します。とりわけ現代では夏でも冷房により体が冷えたりと、季節にそぐわない環境にさらされやすくなっています。
そして外邪は五臓に影響を与えます。風邪=肝、暑邪=心、湿邪=脾、燥邪=肺、寒邪=腎というように、それぞれ障害を与えやすい臓があります。
例えば梅雨どきの湿気の多いジメジメしたときには食欲が低下し、下痢になりやすくなりますが、これは湿邪が脾を障害するためです。
鍼灸治療では邪気とたたかう力=正気(自然治癒力)を高めることにより、症状の改善をはかります。また人体に気(正気)が充実していれば邪気が入り込もうとしてもはねのけるため病気にならないとされています。
鍼灸が予防医学として注目されているのは、鍼灸によって気を充実させて(自然治癒力を高めて)病気にならない丈夫な体をつくるという理念があるためです。
※ちなみに現代でも「かぜ(風邪)は万病のもと」といいますが、これは風邪(ふうじゃ)がほかの外邪(寒邪や湿邪など)を先導する性質があり、「百病の長」とされているのが関係していると思われます。
関連記事
気とはなにか?
posted by 続木はり院 at 22:48| 東洋医学
2014年12月19日
気が人体にあたえる影響
ひとが生きていく上でのエネルギー源となる気ですが、この気が不足したり停滞すると人体に悪影響が出ます。
気が不足した状態を「気虚」といいます。活動力が低下し、疲れやすく元気がないという状態になります。また五臓の気(臓気)が不足すると、その臓がもつ機能が低下します。脾の気が低下すると消化能力が低下して下痢や食欲不振になったり、肝の気が低下するとイライラして怒りっぽくなります。
気は通常循環して流れていますが、この気が停滞することによっても症状が出ます。停滞した箇所に痛みが出たり、熱をもったりします。押すとグリグリして痛い「こり」は主に気が停滞したことが原因です。
鍼灸治療ではツボを駆使することによって不足した気を補ったり、停滞した気を流すことによって症状の改善をはかります。
関連記事
気とはなにか?
邪気とはなにか?
気が不足した状態を「気虚」といいます。活動力が低下し、疲れやすく元気がないという状態になります。また五臓の気(臓気)が不足すると、その臓がもつ機能が低下します。脾の気が低下すると消化能力が低下して下痢や食欲不振になったり、肝の気が低下するとイライラして怒りっぽくなります。
気は通常循環して流れていますが、この気が停滞することによっても症状が出ます。停滞した箇所に痛みが出たり、熱をもったりします。押すとグリグリして痛い「こり」は主に気が停滞したことが原因です。
鍼灸治療ではツボを駆使することによって不足した気を補ったり、停滞した気を流すことによって症状の改善をはかります。
関連記事
気とはなにか?
邪気とはなにか?
posted by 続木はり院 at 21:15| 東洋医学