ところが今回は1時間30分まるごと鍼灸治療、しかもゴールデンタイムでNHKです。ここまで鍼灸がスポットライトを浴びたのは初めてではないでしょうか?
番組の中でもはり治療の効果が科学的に説明されており、謎とされてきた東洋医学の仕組みが解明されてきています。
しかしツボとツボを結んでいる経絡については番組内でもまだわからないことが多いと言っていました。
その謎の多い経絡、私たち鍼灸師にとって治療の根幹となるものですが、一人のイギリス人医師により新しい解釈が発表されました。

「閃めく経絡」の著者:ダニエル・キーオン氏は救急診療専門医であると同時に中国に留学してはり治療を学んだという経歴の持ち主です。そのため西洋医学、東洋医学ともに精通していることから鍼灸を現代科学の視点で眺めることを可能にしています。
そしてその著者が考える経絡とは全身をつないでいる結合組織の1つであるファッシアFasciaであると主張しています。
ファッシアとは「筋膜」と訳されることが多いですが、実際には筋肉だけでなく各臓器や背骨、神経などをつなぎあわせています。長くなるので詳細は省きますが、このファッシアがはり刺激による情報を伝える通り道になっているとしています。
個人的に面白いと思ったのが重要とされるツボが手や足、肘や膝に集中していますが、それらの部位が発生学における形成中心(身体の発生に重要)と共通しているということです。何もないところから手や足が生えてくるわけですからものすごいエネルギーを秘めているはずです。だからこそ高い効果を発揮するツボとなりえることは納得がいきます。
鍼灸は海外でも注目され研究もすすんでいます。東洋医学はもはや日本や中国などのアジア圏だけのものではなく世界のスタンダードとなりつつあります。
鍼灸が世界に広がることを嬉しいと思うと同時にうかうかしていると西洋諸国に後れを取ってしまうので、そうならないように気を引き締めないといけないなと感じております。
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