東洋医学に「治未病」という言葉がありますが、これは病気になる前に治療する、すなわち病気を予防するということです。
よくある話で痛みとかつらい症状があるので病院で検査したところ、全く異常が認められず、どこも悪くない、気のせいだと言われたということがあります。
実際には少しずつ身体に疲労が蓄積されていて、症状は出ているけど検査にひっかかるほどではないという状態です。このまま放っておくといずれは検査に異常が出てくる可能性があります。
鍼灸では身体の変化を手で触って判断します。内臓の疲れは背中やお腹のコリとなってあらわれます。そのコリを鍼灸によってほぐしていくことで身体や内臓の血流が改善すると、自律神経やホルモンバランスが整えられるなどの機能の回復が期待されます。
実際定期的に鍼灸治療を受けている患者さんからはかぜをひかなくなったとか、何年も重い病気にかかっていないという話を聞きます。
年齢を重ねるとともに身体に疲労が蓄積されていくため、どうしても体調をくずしやすくなってしまいます。そうならないために定期的に鍼灸治療を受けて身体をケアしていくことをおすすめします。
2014年09月26日
なぜ鍼(はり)の治療にこだわるの?
当院では一部の症状にお灸をすることはありますが、基本的には鍼(はり)のみで治療を行っています。私は鍼灸以外にもマッサージや整骨の国家資格も持っています。よくまわりからもせっかく免許を持っているのになぜ鍼しかしないのかと聞かれます。
どうして私は治療に鍼しか使わないのでしょうか?それは当院のホームページにもかかれているとおり、鍼灸の学会でのデモンストレーションである有名な先生の治療を受けたのがきっかけです。そしてさらに自分の背中を押すことになったのが、東洋医学の原典である黄帝内経霊枢という書物の病傳篇に記されたある一文です。

そこに書かれていることを意訳すると「世の中には鍼や灸、マッサージ、運動療法や薬など様々な治療法があるがあらゆる方法を使いこなせるようになるべきか?」という問いに対し「1つの方法に習熟すればいかなる方法にも応用することができる。」と答えています。
つまりあれもこれもと手を出してどれも中途半端になるよりも、1つの道を究める(きわめる)ことにより、あらゆる疾患に対応すべきというのがこの文章の教えになります。
この文を目にして私は鍼1本で生きていくことを決心したのです。
どうして私は治療に鍼しか使わないのでしょうか?それは当院のホームページにもかかれているとおり、鍼灸の学会でのデモンストレーションである有名な先生の治療を受けたのがきっかけです。そしてさらに自分の背中を押すことになったのが、東洋医学の原典である黄帝内経霊枢という書物の病傳篇に記されたある一文です。

そこに書かれていることを意訳すると「世の中には鍼や灸、マッサージ、運動療法や薬など様々な治療法があるがあらゆる方法を使いこなせるようになるべきか?」という問いに対し「1つの方法に習熟すればいかなる方法にも応用することができる。」と答えています。
つまりあれもこれもと手を出してどれも中途半端になるよりも、1つの道を究める(きわめる)ことにより、あらゆる疾患に対応すべきというのがこの文章の教えになります。
この文を目にして私は鍼1本で生きていくことを決心したのです。
posted by 続木はり院 at 21:29| 鍼灸
2014年09月22日
鍼灸と東洋医学(その2)
前回鍼灸は東洋医学をベースにしていると書きましたが、治療する上で現代医学(西洋医学)の知識は必要ないかというと、そんなことはありません。
鍼灸院に来院される患者さんの症状の中には鍼灸よりも現代医学を受けたほうがよいケースが多々あります。そのような場合には適切な科への受診をおすすめしないといけないのですが、現代医学の知識がないとそれができないばかりか自分の守備範囲を見抜けず、患者さんの受診の機会を逃すはめになってしまいます。
また東洋医学、西洋医学と視点が違うだけで、宇宙人をみているわけではありません。あくまで同じ人間をみています。
ベテランの先生の中には東洋医学だけを元にして治療を組み立てていけばよいという方もいらっしゃいますが、私は現代医学の知識も取り入れたほうが、治療を組み立てる上でヒントになると考えています。
前回の内容と矛盾するようですが、東洋医学の中には現代では間違った内容や迷信のような箇所がいくつかあります。東洋医学は本来神秘的なものではなく、古代においての最先端の科学でした。事実現代のものと共通する部分はたくさんあります。
ですから現代において当時は未知のことだったものが次々と明らかにされているわけですから利用できるものは利用すべきです。
ただ前回書いたとおり治療に用いるのは鍼ともぐさですから、あくまで東洋医学を中心に、頭のかたすみに現代医学を置く感じで私は治療にのぞんでいます。
ちなみに初めての患者さんにいきなり気だのなんだのと説明すると、あやしい印象をあたえる可能性があるので説明するときには現代医学の言葉を用いています。
ところで鍼灸の養成校ではどちらかというと西洋医学の教育にウェイトが置かれているような感じがあります。国家試験で西洋医学の問題が多く出題されるのでどうしてもそのような傾向になってしまいます。
そのため東洋医学をより深く修めようと思うと卒業後も勉強し続ける必要があるのですが、実はそれが楽しかったりするのです。
鍼灸院に来院される患者さんの症状の中には鍼灸よりも現代医学を受けたほうがよいケースが多々あります。そのような場合には適切な科への受診をおすすめしないといけないのですが、現代医学の知識がないとそれができないばかりか自分の守備範囲を見抜けず、患者さんの受診の機会を逃すはめになってしまいます。
また東洋医学、西洋医学と視点が違うだけで、宇宙人をみているわけではありません。あくまで同じ人間をみています。
ベテランの先生の中には東洋医学だけを元にして治療を組み立てていけばよいという方もいらっしゃいますが、私は現代医学の知識も取り入れたほうが、治療を組み立てる上でヒントになると考えています。
前回の内容と矛盾するようですが、東洋医学の中には現代では間違った内容や迷信のような箇所がいくつかあります。東洋医学は本来神秘的なものではなく、古代においての最先端の科学でした。事実現代のものと共通する部分はたくさんあります。
ですから現代において当時は未知のことだったものが次々と明らかにされているわけですから利用できるものは利用すべきです。
ただ前回書いたとおり治療に用いるのは鍼ともぐさですから、あくまで東洋医学を中心に、頭のかたすみに現代医学を置く感じで私は治療にのぞんでいます。
ちなみに初めての患者さんにいきなり気だのなんだのと説明すると、あやしい印象をあたえる可能性があるので説明するときには現代医学の言葉を用いています。
ところで鍼灸の養成校ではどちらかというと西洋医学の教育にウェイトが置かれているような感じがあります。国家試験で西洋医学の問題が多く出題されるのでどうしてもそのような傾向になってしまいます。
そのため東洋医学をより深く修めようと思うと卒業後も勉強し続ける必要があるのですが、実はそれが楽しかったりするのです。
タグ:鍼灸
posted by 続木はり院 at 21:20| 鍼灸
2014年09月19日
鍼灸治療と東洋医学(その1)
鍼灸治療のベースとなるのは東洋医学で、肝・心・脾・肺・腎といった五臓に気・血・津液と普段耳にしない用語が続きますが、なぜ医学が発達した現代においてマイナーともいえるこのような学問をなおもベースにし続けるのでしょうか?
それは現代医学ですとある細菌が原因であればその細菌をやっつける薬を飲めばいいわけですが、鍼灸の場合、治療に用いる道具は鍼(はり)ともぐさのみであって薬ではありません。
このツボに刺せばこの細菌を退治できるというような都合のいいツボもありません。
病気と闘えるように体を強くしてやるのが鍼灸治療です。そしてその手段となるのがツボ(経穴)に対する刺激です。
体を動かすエネルギーや体を養い、また調節する栄養素やホルモンなどをまとめて気・血と言ったりしますが、ツボはこの気や血に作用します。そしてこの気・血が全身や五臓六腑を養っています。
つまり上手にツボの効果を引き出せば、体全体に影響をあたえることができます。
だからこのツボの効果を発揮させるためには東洋医学を元にして治療方針を考え、組み立てていく必要があるのです。
それは現代医学ですとある細菌が原因であればその細菌をやっつける薬を飲めばいいわけですが、鍼灸の場合、治療に用いる道具は鍼(はり)ともぐさのみであって薬ではありません。
このツボに刺せばこの細菌を退治できるというような都合のいいツボもありません。
病気と闘えるように体を強くしてやるのが鍼灸治療です。そしてその手段となるのがツボ(経穴)に対する刺激です。
体を動かすエネルギーや体を養い、また調節する栄養素やホルモンなどをまとめて気・血と言ったりしますが、ツボはこの気や血に作用します。そしてこの気・血が全身や五臓六腑を養っています。
つまり上手にツボの効果を引き出せば、体全体に影響をあたえることができます。
だからこのツボの効果を発揮させるためには東洋医学を元にして治療方針を考え、組み立てていく必要があるのです。
posted by 続木はり院 at 21:03| 鍼灸