2015年05月22日

コルセット(腰痛ベルト)の役割

ぎっくり腰などの強い腰痛のときに使用されるコルセット(腰痛ベルト)ですが、よく患者さんからいつ使用すればいいのか、いつまで装着していればいいのか聞かれます。今回はコルセットの正しい使い方について説明したいと思います。

まずコルセットの役割ですが、腹圧を高めることによって姿勢を保持します。そのことによって腰痛を軽減し、さらに安心感も与えてくれます。
ちなみに腹圧とは、お腹まわりの筋肉(腹筋や横隔膜など)が作り出す圧力のことで、この力によって背骨を支えます。さらに腹圧の上昇は椎間板にかかる負担も軽減させます。コルセットはこの腹圧を高めるのが狙いなわけです。

本来自分の筋肉の力で作り出す腹圧ですが、コルセットばかりに頼っていると筋肉を使う機会が減るのでどんどん筋力が低下していきます。するとコルセットをはずしたときに筋肉が弱っているので自分の筋肉で背骨を支えることができず、腰痛が悪化、慢性化してしまうという事態を招きます。

ですからコルセットを使用するのは急性期で痛みが強いときや、仕事などで腰を使うときなどに限定したほうがいいでしょう。

このような理由から、腰痛の予防には腹筋、背筋を強くすることが効果的だということが分かると思います。私がおすすめする運動は正しい姿勢(背すじを伸ばして胸をはって)で行うウォーキングです。意識して正しい姿勢を保つだけで腹筋・背筋は鍛えられます。

それでも腰痛がなかなか改善しない場合は早めに治療を受けましょう。特にはり治療は腰痛には効果抜群なのでおすすめです。
posted by 続木はり院 at 21:24| 腰痛

2015年02月06日

寒い時期のぎっくり腰

立春も過ぎ暦の上では春ですがまだまだ寒い日が続きますね。特に2月の第1週は例年では雪が積もることもあります。
そしてこの時期には当院にもぎっくり腰で来院される方が増加します。

東洋医学では通常の冬の寒さはそのまま「寒」もしくは「寒気(かんき)」とよんで季節の気候として問題にしませんが、度がすぎた寒さは邪気となり「寒邪(かんじゃ)」になります。

この寒邪には凝集性・凝滞性という性質があり、気の流れを阻害する特徴があります。現代的にいうと血行を悪くするわけです。
そうなると当然腰の筋肉も弾力性を失って固くなります。その状態で雪かきなどの腰に負担がかかる作業をすると腰の筋肉がダメージをうけてぎっくり腰になってしまうわけです。

予防策としては腰まわりが冷えないように腹巻きをして保温したり、運動や作業をするときはストレッチなどの準備体操を入念にして筋肉をほぐすようにしましょう。
またもともと腰痛がある方は寒さで悪化しやすいので気を付けてください。

特に急に冷え込んだ日や雪の日には注意してくださいね。それでもぎっくり腰になってしまった場合は鍼灸治療をおすすめします。
posted by 続木はり院 at 21:34| 腰痛